ゼンタングル®︎はリック ロバーツとマリア トーマスの2人によってアメリカで考案されたアートメソッドです。簡単な図形を組み合わせ繰り返し描く事で、文字が描ける人なら誰でも美しい作品を創ることができます。  ZentangleのZenは禅。描く中で自然と集中し、座禅を組んでいる時のようなメディテーション効果を期待できます。 近年の研究で、不安の軽減に効果があることがわかりました。ヒーリングアートとしても注目されています。

midorish

猫絵描き、滋賀県在住、ゼンタングル認定講師、肺腺癌ステージ3Bサバイバーのふるはし美鳥が、あれこれ書いてます。

ガンと、私と、ゼンタングル

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私が毎日機嫌良く絵を描いて遊んでいると、周りの患者さん達が通りすがりに覗き込んで

「うまいなー!」「ええなぁ、絵が描けて」「私らそんなんでけへんわ」と、声をかけていかれます。

私は入院患者の中では若い方で、お姉様?おばちゃま、おばあちゃま達に「若いのにかわいそう」みたいに扱われてました。

おばちゃま おばあちゃま達はお喋りで時間を潰す事が多かったみたいです。

同室の多くの方が肺ガン患者さんですが、肺ガンにも何種類もあり、症状も様々、薬も様々。Aさんに効果があっても、Bさんには効果なかったり、、。毎日点滴、注射、効果があるか(結果が出るまで)わからない抗がん剤への不安。

お喋りの内容も、自然と不平や不満、不安、病気自慢?になりがちです。

 

「絵が描けてええなぁ」という言葉は、ただの挨拶ではなかったと思います。

病気が見つかるまで、私はカルチャーセンターで、大人のお絵かきクラス、大人の塗り絵クラスも持ってましたから「一緒に描きませんか?」とお誘いもしましたが、

ザーッと数メートル下がるくらいの勢いで「でけへん!でけへん!」「そんなん描かれへんわ〜」とおっしゃいます。

「誰にでも簡単に絵が描ける方法、ないかなあ?」と頭に浮かんだのはこの体験がきっかけです。

それまでは、逆にそんなに簡単に描かれると、カルチャーセンターに通って頂く必要なくなるわけですから、困っちゃいます。「美鳥先生のクラスで習ったから上手に描けるようになった」と言われるのは嬉しい事でした。

私にとっても「絵は訓練して描けるようになるもの。」でした。