ゼンタングルの道具
8月31日からの展覧会には、旧作の猫の絵に、ゼンタングルを足したもの を展示します。
もともとこのシリーズは、古い日本画作品を板から剥がして、裏紙を使って、
胡粉で下地作って、薄墨でシミを作って、そこに偶然できた形に猫と花を入れ込む
という絵でした。日本画材を使ってますので、基本的にはペンなどで上に描くことは想定していない、、描きにくい!ていうか、普通こんなところに描いてはいけない。ペンがすぐダメになります。つまったり、ひっかかったりして、ストレスを感じます。
私の場合は、それを超えて作品を作らないといけないので無理矢理描いてますが。
こちらはもともと水彩紙にペンで描いて、長ーい間描きかけで放置してあったもの。
こちらも、絵の具で結構濃い目の下地を作ってるので、絵の具の粒子がペンに引っかかって詰まります。金と白のジェリーロールは、比較的スルスルインクが出てくれて描きやすかったです。
これも、描いてみないとわからないから、とりあえずやってみる、、ペンを潰す、、もったいないなあ、と思うけど仕方ないです。
伝統的なやり方から外れてるので、こういう無駄が生まれます。
今回これらを描いて、つくづく思う、ゼンタングルの道具、、紙とペンの組み合わせの素晴らしさ!
心地よく集中できる素材、サイズ、について本当に良く考えられている、、と感心します。
描く人は最初から「この紙、このペン、書き順はこう」と、最高の組み合わせで目の前に出されているので、「これが普通」と、受けとめるかもしれないけれど。
リックさんとマリアさんは、何も決まってないところから、紙のサイズも、種類も、ペンとの組み合わせも、デザインされたんだと思うと、本当にすごいな、、と思います。
どれだけの試行錯誤があっただろう、、と、クラクラします。
すごく良く選ばれた組み合わせになってるから、何のストレスもなく自然に集中できます。
道具って大事です。
「ゼンタングルは、砂浜に、拾ってきた木の枝で描くこともできます。
でも、その時もあなたはきっと そこらに落ちている木の枝の中で、一番描きやすい、良い枝を選ぶでしょう?」
と、マリアさんが言ってらっしゃいます。
良い道具に感謝する。ウンウン。感謝だわ!と納得。
不自由な道具の組み合わせで描いてると「ちゃんといつものタイルでタングルしたい!」欲求が溢れてきます。
ずーっと描いてるのに、です。すごく不思議。
で、普通のタイルに描くと スーと、気分良いです。