ゼンタングル®︎はリック ロバーツとマリア トーマスの2人によってアメリカで考案されたアートメソッドです。簡単な図形を組み合わせ繰り返し描く事で、文字が描ける人なら誰でも美しい作品を創ることができます。  ZentangleのZenは禅。描く中で自然と集中し、座禅を組んでいる時のようなメディテーション効果を期待できます。 近年の研究で、不安の軽減に効果があることがわかりました。ヒーリングアートとしても注目されています。

midorish

猫絵描き、滋賀県在住、ゼンタングル認定講師、肺腺癌ステージ3Bサバイバーのふるはし美鳥が、あれこれ書いてます。

ガンと、私と 今 ここ。

f:id:midorish:20190717233651j:image

肺ガンなんだろうなー、と思いながら、ガン細胞を採取するのがなかなか難しく、やっと取れて生研に出して結果が出て「肺腺ガンです。転移を起こしてます」と告知されるまでに、1ヶ月近くかかりました。

なので、告知された時は 「ガンなんだ!」というショックよりも、「やっとちゃんとガンだと分かった」 というホッとした様な変な気分でした。

ガンです。と宣言されると、診察室から出てすぐに看護師さんから「 病院全体でチーム医療をします」みたいな説明を受けました。

ガン相談支援センターもあって、何でも相談できる との事でした。

 

ガンです。と、言われて、困惑したのは、

先がどうなるのか想像もつかない という事でした。

以前卵巣嚢腫の手術で卵巣を取ったことがあります。その時はエコー画像を見て、ここをこう取ります。難しくない手術だし、取ってしまえば大丈夫。という治療方針を先生と共有できました。

でも、どうやらガンの治療は 「やってみないとわからない」ことが多いみたいです。

自分がどんな風になっていくのか、さっぱり分からず、ただ「5年生存率20パーセント」 みたいな数字をネットで拾って怖がるだけでした。

それで、ガン相談支援センターの方に、相談しました。

「私はどうなるんでしょう?」

すると、答えは「 わかりません。」でした。

私と同じ肺腺ガンでも、でき方や散らばり方が違えば、治療方針も違います。

同じ薬が、ある人には効果があり、ある人にはない。という事も起きます。

1人1人、全部違うので、どうなるのか?を心配しても答えは出ないし、それについて悩んでもどうしようもない。という事でした。

どうなるのか?決まってない将来を心配しても仕方がない。それよりも、今最善だと信じる治療に専念する。という事が大切。

というお話でした。

 

効果がある治療方なのか、やってみないとわからない。今 ここで起きてる事にフォーカスして、最善を尽くす。これ、なかなか難しいです。

つい未来を悲観したり、なぜこうなったか?過去を探ってあるかないかわからない原因を見つけようとしたり。しがちです。

 

後に、ゼンタングルについてのテレビ番組の中で「ゼンタングルでは 出来上がりを予測しないで 今 ここ。に集中します」という内容を言ってらして、ガン治療と同じだ!と、驚きました。

ガン治療に限らず「今 ここ 」に集中する事で良い結果を導くというのは、万事に共通しているのでしょう。

わかっていても、普段の生活の中では それがなかなか難しい。

ゼンタングルを描く時間は、今 ここ に集中する事の連続です。無心に、今このペンの先にだけ集中します。それが自然にできます。

 

まだゼンタングルを知らなかった私は、今の治療に専念しましょう。と言われても、先を怖がって他の治療方がないか、探したりもしました。

最終的には、主治医の先生を信頼して、標準治療に専念しました。結果的にそれが良かったと思います。