肺ガンのこと 抗がん剤治療
手術後の経過も良く、腫瘍マーカーの値も下がって、一安心。と、息つく間なく、
抗がん剤治療を勧められました。
ここまでの入院でたくさんの抗がん剤治療の患者さんを見て、しんどい治療だというのを知っていたので、積極的にやる気にはなりませんでした。まだ背中や肩甲骨がひどく痛んでもいました。
抗がん剤はたくさんの種類があり、大抵組み合わせて使われます。が、どの薬がどの程度その人のガンに効果があるのか?は、やってみないとわからない 様です。
使ってみて、しばらく様子をみて、副作用と効果を天秤で測ってるような感じ。という印象を受けました。
この、効果 というのも、血液検査の腫瘍マーカーの値が下がったから効果があった という感じで、
私の場合基準になる腫瘍マーカーが下がってる状態からスタートして、効果が出てるかどうかどうやって判断するんだろう??という疑問もありました。
色々言ってゴネてると、普段殆ど感情を露わにしない主治医が「古橋さん、若いのに何言ってるんですか!ペシです!」と 初めて怒られました。この、ペシです!でその場のみんなが思わず笑って、
じゃあ受けます となりました。
私が使った抗がん剤は、点滴後に尿量のチェックが必要なもので(できるだけ早く身体から出さないといけないので、たくさん水を入れて、たくさん尿で出します)なので また入院しました。色んなタイプの薬があるので、通院だけでもできるのもある様です。
看護師さんは万一薬が身体についたらいけないので、頭から指先まで防護のスーツを身につけます。不織布みたいな素材でてきていて、毎回使い捨てです。そこまでして安全を図らなければならないほどの薬品を、身体に入れる、、頭で理解していても、嫌なものです。
そして、副作用も人によってどう出るかわからない、、様です。
ひどい吐き気や、便秘や、下痢とか。でも、昔に比べると制吐剤が良くなったので、だいぶマシらしいです。
お腹が痛いのに何も出ない、、とか、ひどく下痢する、とか、最初は身体も初めてなのでコントロールができなくて大変でした。日中ずっとトイレに籠る、、とか。
2回目以降は(4クールやりました)だいぶ要領がわかってくるので、別に出してもらうお薬でお腹の調子をコントロールできるようになりました。全く調子良いわけではないけれど、看過できないほど深刻ではない 状態です。
食欲は明らかに落ちます。食べられない。つわりみたいな感じです。ちょっとした水の匂いとか、プラスチックの容器の匂いとか、普段気にならない様なものが とても気持ち悪く感じたり。胸焼けがひどかったり。
まあ、仕方ない。過ぎれば平気になるんだから。と、納得して イラスト描いたりヨーヨーキルトを作ったり、してました。あと数独。
私はこういう事をして遊んでると割と機嫌よく過ごせたのですが、私を見て
「ええなあ、やる事あって。私ら絵ぇとか描かれへん」という他のおばちゃん達(私は入院患者の中では若造でした)を見て、
簡単に取り組めて、いっとき集中して辛い事を忘れられる様な何か があれば良いのに、と思ってました。
その事が頭にあって、ゼンタングルのテレビを見た時、これがそれだ!と、思ったのです。
この抗がん剤治療が、効果あったのかどうか?私の場合、手術後1年で転移が見つかります。効果の有無については疑問がありますが、
やってなかったら「あの時抗がん剤治療しておけば転移しなかったかもしれない 」 という後悔を背負ったと思います。なので、やっておいて、まあ、良かったかな?と思います。性格によるでしょうね。私の場合は、これで良かったと思っています。
思い出すだけで何となく吐き気がするくらい、嫌なものでしたけど。