Mistigri au Japon
2016年秋に私の作品だけを集めた本 Mistigri au Japon が、フランスの出版社 IONEdition から出版されました。
http://ionedition.net/livres/mistigri-au-japon/
Mistigriは、フランスで伝統的に猫につける名前、だそうで、日本でいうと多分ミケとかタマとか。「日本のタマちゃん」みたいな感じのタイトルです。
裏表紙はうさぎさんです。
先日編集者からメールが来ました。2018年も引き続き ギメ美術館での販売が好調だという事です。 ギメ美術館は東洋の美術品を扱うパリの美術館です。そこのショップに私の本が並んでるらしいです。すごい!びっくりです!
ION Edition はフランスのアングレームにある小さな出版社。アングレームは、漫画に興味のある方ならご存知かもしれませんが、国際的なコミックフェアで有名なフランスの古い町です。
編集者で社長のBenoit さん自身、バンデシネの作家で、「ハイアートと 絵本美術の中間にある作家を 言葉のない作品図版だけで紹介する本」を出版しています。
とんがった作家の本が並ぶION Edition の中で、私の本はこれまでにない ビビッドなピンクを配したカワイイ作り。IONの長年の読者さん達は驚かれたそうですが、この本はブックフェアや書店でIONの本に今までなかった読者層 女の子達 に手に取られているそうです。
Benoitさんは、たまたまネットで私の作品を見つけて、ホームページにたどり着いて連絡をくれました。
それは私にガンが見つかった翌年の春頃で、なんとか手術と抗がん剤治療が終わった頃、、だったと思います。
全く知らないフランス人から 本を出さないかとメールをもらって、最初はよくある自費出版のお誘いかと思って警戒しました。
Benoitさんは実にフランクで、自分の出版してきた本や、私との契約条件について丁寧に英語のメールをくれました。
本を出版するにあたって、私からの出費が必要無いのはもちろん、印税もちゃんと貰えます。
悪くない話、、というか、むしろ神様からのプレゼント!?
この本が出せたら、私は猫の作品をまとまった形で残していける、、みたいな気分がありました。
その頃はもうすぐ死ぬんだろうなーと思ってました。私の肺ガンが見つかった状態での5年生存率は20パーセントくらい、とネットで見て、5人に1人しか5年生き抜かない。と思ってました。なので、やってきたことの証を残せる!みたいな。今思うと 大袈裟な!て、笑えますが。当時は本当にそんな感じでした。
本が出版されて、まだ生きてて、新しい事もやり始めて。不思議な気分です。
フランスでこの本を手にとってくれる女の子達は、こんなおばちゃんが描いてるって、知らないでしょう。お気に入りの猫が本の中にいたり、飼い猫に似た子がいたり、するんでしょうね。嬉しいです。
スベスベの紙の、私が小さな頃好きだった塗り絵の本くらいの薄いカワイイ本。
やっぱり、神さまからのプレゼントだったんだと思います。